美しい君の横顔がひたむきに、机に向かう時、時間が経つのも忘れるような、冷たい呼吸のさなかで、永遠のもつかぬような時間を待っている。
手を握ると、「うん」と、反応がある。
その机の先にある物が、あなたの美しい世界なのですね。
あなたの、その美しい流線型を描く製図が、何を魅せるのかは、わからないけれど、切り立った一本の綱を渡る綱渡りのような、しり込みをしてしまうような、境遇の中で二人は息をしてる。
胸の鼓動が、肺炎の蠱惑的な息切れをするとき、きっと彼の心配事は別の場所にあって、それほ悲しみの色を伴った大想像絵巻となって、眼前に広がる。
夏の面立ち。
飛行機雲。
きっと、空にかけるその軌道は、直線を描きながら、瞬く間に去っていってしまう。
さようなら。あなた。
と、呟くも、きっと聞こえなかったあなたの耳は、やっぱり、隣のラジオを聞いてる。
電波から流れるのは、八十年代トップヒッツ。
フォークソングは、きらりと呼吸して、散漫な空気にタバコの紫煙とともに消えた。
1/16/2024, 10:14:01 AM