誰か休止符を打ってくれ!
底無し沼に足をとられ、身動きが出来ないまま生け捕りにされているのだから。
黒い艷やかなあの髪が、あの甘い瞳が、視界に入るだけで線香花火が眩い火花を散らしてしまうのだから!
嗚呼、唇の両端が少し上がるだけでその目が細められるだけで私は撃ち抜かれてしまうのだよ!
私の気持ちに気づくはずもなく、歌うように笑いかけて言葉を紡ぐ君。まるで朝日に輝く海のようだ!
誰か終止符を打ってくれ!私のこの物語に!恋心に!
嗚呼、なぜ気がついてしまったのだろうか。気づかないまま終わらせてくれればよかっただろうに。
叶わぬものなど諦めてしまえ!忘れてしまえ!
目の前にある花に止まることを許されない蝶の気分だ。
いっそのこと誰か羽根をもぎ取ってくれ!
終わりを望む物語がここにある。桃色のまま、この夢を終わらせておくれよ!
嗚呼…まったく君は罪な男だよ。
1/25/2025, 1:38:29 PM