✧耳を澄ますと
僕は夜勤専属のホテルマン。
午後22時〜午前9時まで勤務時間。
午前2時〜午前5時までは仮眠となる。
時計は午前2時。
僕は、前半の作業を終えてホテルのフロントを消灯して事務所のベッドに横になる。
目を閉じて耳を澄ますといつの間にか眠りにつく。
……ガシャン、ゴトン!
僕は目を醒ました。
お客様が自動販売機で飲み物を買われたな。
お部屋にお水がございますのでそれで我慢して下さいとはいかないですよね…。
……ウイ−ン、バタン!
ピクッ、僕は反応した。
自動ドアの開閉音かお客様がお帰りになられたか…。
時刻は午前3時、キャバクラで1杯やってきたのかな?
朝はお仕事や用事がございますよね。
深夜はベッドで寝ましょうね。
カシャ。
デスクに置いてあるルームキ−をお取りになられたな。
勘のいいお客様で良かった。
呼び出しベルを押して「ルームキー下さい」って起こされたくないので僕が発明した。
ピンポ−ン!
呼び出しベルが鳴った。
「はい、どうされました?」
僕はベッドから瞬時に飛び出し、フロントに直行した。
「スマホの充電器を貸して」
お客様が言った。
「この時間は緊急時の用件しか対応しない。あなたは23時に私と会ったでしょう?その時に頼んでよ!」とは言えないので素直にお渡しする。
ピンポ−ン!ピンポ−ン!
呼び出しベルが鳴る。
「はい、どうされました?」
「スマホの充電器を貸して下さい」
とある銀行員のお客様が言った。
「今、4時30分だよね!あんた銀行員でしょう!おのれら午後3時に受付終了やろが!あと30分ぐらい待て!時間守れよ!」
僕は激怒した。
なんてことは絶対にできないので素直に手渡す。
ピオピオピオピオ。
内線が鳴った。
「はい、フロントです」
僕は飛び起きて返事した。
「胃に持病があって…。今苦しいです。救急車呼んで下さい」
「か、かしこました!」
健康になってからご宿泊して下さい。
5/5/2026, 11:13:00 AM