【海底】※フラアサ
「海底ってさ、何があると思う?」
「は?縁起でもねえこと言うなクソ髭。自分の立場わかってんのか」
フランシスは海軍の一員として海に出る予定だった。それはアーサーも同じことで、ふたりはこれまでも度々海に出ては敵艦と会戦を交えていた。とはいえ彼は国であり、軍の中でも言ってみれば元師と肩を並べられるほどの地位はもっていた。とはいえ何をしても基本死なないなどという個体は、持久力その他粘り強さが求められる観点でいえば人間などと比べて比でない戦力をもち得る。そんなわけで地位よろしくというわけか頻繁に戦場に向かわされるのだ。これに加えて上司たちとの会議やら雑務も任されていて、これでは身がいくつあってもちそうにない。
最近は戦争も苛烈を極めてきたのだろう、海を見る機会が多くなった。戦火の下誰もが命がけな状況とはいえ、流石に大海に愚痴をこぼしたくなる。特別な立場だから許されるものの、もし誰かに聞かれでもしたらそれこそ自分の首がとぶかもしれない。
【未完】
1/21/2024, 1:27:14 AM