遠くの空へ、ミサイルを撃ち込む。
同じ空の下なのに、国境という見えない線を越えて。
話す言葉が違う。
肌や目の色が違う。
確かなことはひとつ、同じ人間であるということ。
だが、ミサイルは相手国へ着弾する。
そして、破裂し、燃え尽き、死をばらまく。
遠くの空へ、物資を届ける。
命の糧となる食べ物や衣服、医療品から住居まで。
それは思いやり。
そして、切なる願い。
確かなことはひとつ、生きるために生まれてきたこと。
だから、救済という名の宿命を果たす。
それは、祈り、与え、生を満たすために。
遠くの空へ、思いを馳せる。
それ以上何も出来ずに、安心なるこの空の下で。
過去を振り返る。
惨たらしい現実を知る。
確かなことはひとつ、繰り返してはいけない歴史があること。
ただ、それを守り抜く術は未だに霧の中。
そして、訴え、言い争い、互いの正義を振りかざす。
戦後80年。
この国に関して言えば、の話。
戦争は続いている。
いつか、戦後という言葉が、戦前に変わる日が来るかもしれない。
新たな戦いが生まれ、遠くの空から飛んでくるミサイル。
物資も思いも、何の救いにもならないその日が。
その時はきっと、人間の愚かさを憂うだろう。
今、この空を見上げて、想うこと。
この幸せは、当たり前なんかじゃない。
8/16/2025, 11:57:05 PM