空模様(昼寝ができなかったので書いている)
空を見上げると、遠くの方に黒い影が点々と浮かんでいた。
ああ、もうじき私もあちらへ行くのだな。 ならば目を閉じて稚拙な願い事をしよう。
妹が幸せでありますように、この世界に平穏が訪れますように。
青空は遠く澄み渡っているというのに、地上は悲痛で溢れかえっていた。
入道雲が遠くに雷鳴を引き起こし、黒雲が人々に死をもたらす。
遠くで爆音が鳴り響いたと思えば、どんどんとその音が近づいてくる。
心拍が早まり、脂汗が滲み出てきて、その時ようやく「ああ、私も幸せになりたかった」のだと気が付いた。
さようなら、我が妹よ。
幸せであれ、我が妹よ。
太陽が見えなくなっても、この心臓が止まっても、私は貴方を想う。
「…………あ、あは……あはは、なんて日よ」
数メートル先にゴトンと鉄塊が落ちると、私は荒い息が止まらなかった。
不発弾だ。
横たわる魚みたいで、なんとも滑稽に見える兵器ら、私の親友の命を奪ったそれときっと同じ形だろう。
だが安堵も束の間、後ろの方から爆音が響く。
すぐに振り返えると火薬と土煙が立ち上っていた。
ああ、あそこは、妹と妹の婿、そして子が二人いる離れの辺りだ。
8/20/2024, 7:41:54 AM