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【光と影】

夜の屋上に集まるのが、いつの間にか恒例になっていた。
缶を鳴らして、くだらない話を延々と続ける。

「あの時のお前、マジで傑作やったわ。」

「もうええって! あれは風のせいやん!」

「お前の顔の方が風よりよっぽど強烈やったわ。」

笑いが止まらず、誰かが床を叩く。
揺れる街のネオンが、俺たちの顔を赤や青に染めていく。
遠くのクレーンが瞬き、下からはタクシーのクラクション。
この街は眠らない。
だからこそ、俺たちもまだ眠れない。

誰も特別な話なんかしてない。
でも、この時間が一番熱くて、一番本気だ。
どうでもいい冗談で互いの疲れを笑い飛ばして。
何度も夜を越えて、気づけば並んでここにいる。

光の下ではしゃぎ、影の中でふざけて、でも本気で向き合って。
この街のどこよりもうるさいこの屋上が、たぶん俺たちの光なんだと思う。

外はもう朝焼け。
光と影が混ざる時間に、俺たちはまだ笑っていた。

10/31/2025, 12:26:46 PM