小さい頃って、世界のいろんなものが確固たる確かなものに思えてた。
親は絶対だし、学校の校則は絶対だし、日本のシステムは絶対だし、ボールを投げれば地面に落ちるし、太陽は永遠だし、ダイヤモンドは永遠の輝きだ。
それが、大人になるにつれて、なんなら大人になってからは加速度的に、変わらないものなんてほんとにないんだなって分かってくる。
親は間違ったことを言う。学校の校則なんて時代の常識に沿ってどんどん変わる。日本のシステムもおかしなところはたくさんあって、改善も改悪もされていく。宇宙に出ればボールは落ちない。太陽は50億年後に燃え尽きる。ダイヤモンドは灰になる。
子供の頃に見てた部分って、物心ついてから数年の短い期間でしかない。大人になって見えるものと、時間軸が違う。
短い時間軸の中でなら「変わらないもの」があるのも別に間違ってない。1日、1ヶ月、1年というスパンで変わらないものも確かにあるから。
でも、どんどん視点を時間空間的にズームアウトしていくと、どんなものも必ず変わっていくのが見えてくる。
地球はいつまでも豊穣だと信じてた若い人類も、長い歴史を俯瞰できるようになってそうじゃないって分かってきた。
最初はゆっくりとした変化しかない。ほとんど目に見えないくらいゆっくりと。静止してるかのように鈍い動きで。
でも、気づいた時にはその変化は止められないくらい大きくなってる。
息子がやってる数学のプリント。二次関数のグラフを眺めていると、ゆるやかだった増加の角度が徐々に徐々に強くなる。
グラフのこの曲線が、リアル世界の現象にそっと触れる。
変化に私たちが気づいた時にはもうパンデミックは止められないところまできていたりするのだ。
ある時間軸の変化に対応するためには、その時間軸を上回る速さでこちらも変化していかないといけない。
樹木が無くなり飢え死にする前にイースター島から脱出する術を見つけないといけない。
地球が灼熱惑星になる前に、人類は宇宙に出て行かなければならない。
今回のお題が「変わらないものはない」のだとしたら、私たち自身も変わっていける筈。
大切なのは、私たちに影響を与えるその変化に間に合う時間軸で変わっていかないといけないということ。
私が間に合うのかも、世界が間に合うのかも、誰も知らない。
でも、「変わらないものはない」。
それを信じてる。
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【26】変わらないものはない
12/26/2023, 5:58:15 PM