《ただ居てくれれば》
(刀剣乱舞/泛塵)
泛塵には真田の物語がある。
刻まれた銘が泛塵たらしめる何よりの証。
けれども共に戦場に立つ大千鳥には物語しかない。
語り継がれた物語の中の存在。
しかし泛塵にとってはそれは些細な事。
言葉がなくとも通じ合える存在。
側に居てさえくれればそれで十分だ。
足りない真田の物語は己が与えよう。
交わす言葉も書き記された物語も塵芥のようにいずれ消えてしまう儚いものだろう。
だから言葉などいらない。
この瞳に映る己の姿が、大千鳥を真田の槍として在れるようにする。
それが、《真田左衛門佐信繁の脇差・泛塵》の役割だ。
8/29/2024, 11:19:05 AM