すゞめ

Open App

『光の回廊』

====================
いつもありがとうございます。
表現には気をつけていますが、露出が多いです。
普通にいたしておりますので、苦手な方はスクロールして「次の作品」をクリックするなどして自衛をお願いいたします。
====================

 寝室の常夜灯が彼女の背中を優しく照らす。
 律動に合わせて肩甲骨や腰が艶かしく揺らめき、影を作った。
 背中にできた流動的な光の回廊を指でなぞる。
 刺激に我慢しきれず小さな口から溢れる甲高い嬌声に、俺の熱も昂った。

「気持ち、ね?」
「ぁ、うっ……、ンんっ」

 彼女は涙ぐんだ声をあげながらも、健気に俺と言葉を交わそうとする。
 浅くなった呼吸のまま、彼女は身を捩ろうとした。
 乱れた青銀の髪の毛に隠れた頸を掴む。

「ダメ」

 彼女の小さな背中に照らされていた光を、全て俺の影で塗り潰した。
 彼女と限界まで密着したせいで、ただでさえ狭い彼女の奥がきつく締め上げられる。

「つっ……!」

 確実に迫り上がってくる吐精感を、彼女の細い腰を掴むことでごまかした。
 ゴリュッと品のない水音を立てながら彼女の逃げ道を塞ぐ。

「んぅううっ」

 彼女は、枕に顔をキツく埋めて抑えられない声をあげた。
 今、汗と涙でぐちゃぐちゃになった彼女の顔を見たら耐えられる気がしない。

 もう少しだけでいいから、彼女の一番火照った場所で繋がっていたかった。

「もうちょっと、だけ、堪能させて?」

 震える彼女の頸に跡が残らない程度に歯を立てて、皮膚を舐る。

「愛してる」

 彼女の背中の清艶な美しさを知り得るのは俺だけだ。
 きっと、彼女ですら自覚していない。

 光を覆い隠した独占欲を、1枚の薄膜を隔てて吐き出した。

   *

 下着を履き直して彼女の隣に潜り込む。
 横になった瞬間、全身を倦怠感が襲った。

 彼女の頭の下に腕を差し込み、抱き抱える。
 モゾモゾと収まりのいい位置を探した彼女は俺に体重を預け、大きな瑠璃色の瞳を閉じた。
 無防備にキスをねだる彼女の期待に応えて、唇の上で軽やかなリップ音をたてる。
 キスを受け止める彼女に、先ほどの色香はなかった。
 唇を離したあと、彼女の乱れた髪の毛を横に流す。

「すみません。最後、無理させました」

 枕で強く擦ったのか、赤く腫れた彼女の目元に触れた。
 微かに震える睫毛の感触が指先をくすぐる。

「謝るくらいなら、後ろからするのやめて」

 ここは「気持ちよかったから大丈夫♡」なんて、かわいく恥じらう場面のはずでは?

 あれだけ敏感に反応していたのにもかかわらず、彼女のふてくされた物言いに俺は目を見張った。
 がっつきすぎて痛かったり怖い思いをさせてしまったのか、一気に心配になる。

「もしかして、よくなかったです?」
「え? あ、ち、違う」

 あけすけな俺の言い方に、彼女の頬に熱が集まった。

「ちゃんと、気持ちかったけど、そうじゃなくて……、ね?」

 いったいなんの同意を求められているんだ?

 チラッと上目遣いで見つめられても困る。
 かわいさの破壊力が凄まじく、賢者タイムも合わさって思考がうまく回らなかった。
 吐き出したはずの熱がぶり返しそうになる。

「私だけ、れーじくんにギュッてできないのずるいじゃん」

 子どもっぽく俺の胸元で額をグリグリと押しつける彼女の頭から腕を引き抜き、押し倒すように覆い被さった。

「なら、もう1回します?」
「えっ」

 目を見開いた彼女の首筋から鎖骨のラインをなぞれば、余熱を残した肌が燻り始める。
 そのまま下腹部まで指を滑らせて内腿を開かせた。
 素直に脚を開く彼女に期待をしながら、俺は狡い聞き方をする。

「俺はつき合えますけど、どうしますか?」

 しばらく無言で彼女は俺を見つめていた。
 その瞳は徐々に熱を孕み、恍惚とした表情へと変わっていく。
 先走る心音がうるさく耳奥で響き始めたとき、躊躇いがちに彼女の両腕が背中に回された。
 彼女の下腹部が物欲しげに揺れ、俺は都合よく合意を得たと解釈する。

「好きなだけ、ギュッてしてくださいね?」

 小さくうなずいた彼女の唇を塞ぐ。
 寝室に舞う艶やかな彼女の声に翻弄されながら、俺は再び、彼女との境界線を曖昧にしていった。

12/23/2025, 8:49:49 AM