とある恋人たちの日常。

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 彼へ生まれた気持ちは確かにホンモノで。
 でも私の気持ちを押し付けるのも、私が彼に片思いしているのも、彼に迷惑をかけてしまいそうで……。
 
 誰にでも優しい人だし、人を助けることが仕事だから、色々な異性から好意を向けられていることも……なんとなく知ってる。
 
 その中で、一番関係性が低いのは私だ。
 
 彼が前を向いて仕事をしている、そのお手伝いができればいい。
 
 私の気持ちで彼を迷わせてしまうのは……嫌だった。
 
 だから、私は自分の心に蓋をする。大好きな想いに鍵をかけて、忘れよう……。
 
 そう思ったのに。
 
 屈託のない笑顔で私に手を差し伸べてくれる彼に、気持ちを抑えられなくなりそう。
 
 ダメ。
 
 ダメだと思うほど、迷惑をかけてしまいそうな気持ちが溢れてしまう。
 
 ようやく落ち着いたのに、彼が当たり前に手を差し伸べてくれるから、また心を抑えるのが大変になる。
 
 自分のココロなのに、全然思い通りにならないよ。
 
 可愛くて、格好よくて、優しくて。
 全部大好き。
 
 
 
おわり
 
 
 
二七一、ココロ

2/11/2025, 12:22:11 PM