※閲覧注意※
IF歴史?
うっすら二次創作?
クロスオーバー?
ごちゃ混ぜ、創作モブが普通にいる。
《この場所で》
昔々、或る所に―――。
おとぎ話の冒頭部分に良くあるくだり。
優しいお爺さんとお婆さんは出て来ないけれど、何故か新婚さんっぽい若夫婦に拾ってもらって、お手伝いさんみたいな人たちにも良くしてもらって、やっと生きている。
生活習慣は全く異なっていて、馴染むのもひと苦労だ。
七五三以来の着物も、見たことがないシロモノで、何が何だか判らない食べ物も、作法なんて何ひとつ解らない。
自分で身の回りの事をしようとしても、少しも上手く出来なくて、結局すべての面倒を看てもらっている。
緊急事態の時は、どうしたら良いのだろう。
困る事しか思い浮かばない。
ここを去る日が来たら、きっと何も出来なくて困ってしまうだろうなぁと、取り留めなく考えていた。
「考え事かい?難しい面してさ。」
着付けとお風呂の介助をしてくれる女性が、ふと着付ける手を止めて訊ねてくる。
首を横に振って、にっこりと笑ってみせる。
女性は安心したように笑って、着付けを再開した。
(きっと、この場所で生きて行くのだろうな。)
帰る方法も判らないのだ。元いた場所には戻れないと考えるのが妥当だろう。
(出来るだけ早く、馴染まないと。)
頑張ろう、と思えた。
2/11/2024, 10:20:11 AM