ヨヌ

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君と私

いつも放課後2人きりの教室

でも、今日でそれも最後だ。

今日は卒業式の日。

君と私は

いつもありきたりな言葉を交わしてきた。

「うわ、雨だ」 「傘あるよ」 「入る?(一緒に)」「うん」

「夏ってなんで暑いんだろうね」

「さぁ、知らん笑夏休み入る前に宿題終わらせよ」

「え、いいじゃん。私もやる」

「じゃあ、どっちが早く終わらせるか勝負な」

「今日ね…〇〇とね」 「体育でね…」「〇〇くんって…」

色んな話、思い出がつまった教室

でも、一つだけまだ君に話してないことがあるの

この言葉を言ったらきっと

君とこうして普通に

2人きりの教室で笑い合うことも

できなかったのかもしれない

君と一緒にいれなかったかも。

あっちもって期待する自分がいたけど

言ってしまったら、期待した自分が

裏切られた気持ちになってしまう。

それが嫌だった。

でも、伝えたいのに伝えれない。

自信が持てなかった。

でも、君と「さよなら」をする前に

君に伝えたい




「今日で最後だな」

「そうだね。」

「俺らなんだかんだいっぱい話したよな。

もういっそのこと居残り部とか作ればよかったね」

「たしかに笑 でも私は〇〇と2人のこの空間が

楽しかったよ」

「俺も、楽しかった。……なんで泣いてるんだよ」

「私、〇〇に伝えてないことある。

最後にさ聞いてくれる?」

「うん。ちゃんと聞く。だから泣かないで」

「私、〇〇と出会えて、偶然だけど居残りの時間

いつも一緒で。すごい嬉しかった。

でも、もし私がこの言葉言ったら〇〇は

なんて思うんだろうって色々考えて

きっと〇〇と話せなくなっちゃうんだろうなって

そう思って。〇〇と一緒にいたかったから

この気持ちを消そうと思って。だけど、もう卒業式

で、〇〇に『さよなら』を言う前に伝えなきゃ私が

後悔するなって思ったの。

だから言わせて欲しい。

私、〇〇が好きです。『さよなら』なんて嫌なの」

「俺、曖昧なことして〇〇を苦しませてたんだな。

男なら言えばよかった。俺も好きだよって。

俺も一緒にいたかったから言えなかった。

自信を持つことも出来なかった。

ありがとう。言ってくれて。

『さよなら』なんてしない。

これからもそばにいて欲しい。付き合って欲しい」

私と君は同じ気持ちで同じ思いで

放課後一緒にいたんだね。

君と私は最後の居残りをした。

これからもこの先も

君と私は笑い合って行くんだ。

『さよならを言う前に』






8/21/2023, 8:13:17 AM