ミカン飴

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 あくまで、それは例えばの話だった。
「明日世界が終わるならどうしたい?」
 遥は紙パックのジュースを片手で潰しながら、
「そうだねえ。とりあえず、あんたの隣で夕日が沈むのを見たい」
 と言った。あたしは驚いて、
「もっと他にないの?」
 と聞き返した。
 遥は照れている様子もなく、
「ダチの隣で死ねるならホンモーじゃん」
 と言ってのけた。

 ……そうだね。遥。
 事故に遭ったあたしは、遠のく意識の中で親友に呼びかける。
 最後に遥の笑顔、見たかったよ。

5/6/2023, 12:09:45 PM