生まれちゃったからには幸せになりたい。
生まれたらあとは生きていずれ死ぬ。
じゃあ幸せになった方がいいね。
「だから、幸せになるために生きてるんです。」
「君にとっての幸せって?」
「雨風をしのげる家でおいしいごはんを食べて
きれいな服を着て…。」
「うん。」
「そんな毎日を愛する人と過ごせればそれで。」
「幸せにする。絶対に。」
「ふふ。2人で幸せになるんですよ。」
「なあ。」
「あ?」
「お前なんのために生きているんだ。」
「死ねって言いたいのか。」
「そうじゃない。生きる意味だ。」
「意味なんかあるか。生まれちまったんだから生きるしかねえだろ。死ぬ理由も無いしな。」
「幸せか?」
「んなもん知るか。」
「俺と居るのは嫌か。」
「…なんだ。構ってほしいのか。」
「違う。触るな。」
「嫌じゃねえぜ。お前と居るのも生きるのもな。」
俺の生きる意味になってくれるか。
ただのひとこと言えなかったのは。
答えを聞くのが怖いからじゃない。
こいつに弱みを掴ませたと思われるのは嫌だ。
そう、それだけだ。
否定されるのが怖いからじゃない。
ひとりで生きることが怖いからじゃない。
そう、それだけだ。
生きる意味
4/28/2024, 4:01:06 AM