部屋の片隅を凝視する
あれと戦えというのか
正直、今すぐにでも逃げたいが、ここは自宅
なので逃げ場はどこにもない
音もなく現れ、気づいたらそこにいた
名前を言ってはいけないあの虫だ
三億年ほど前の古生代石炭紀に現れたと思われていたが、後の研究でそれより後の二億年ほど前、古生代ペルム紀に爆誕したと判明したらしい生きた化石
動物界節足動物門昆虫綱例のあの虫目
食器を噛ったことがその名の由来
スズメバチのような差し迫った危険性はないが、家に存在するだけで住人の心の安寧を脅かすもの
様々な害があるらしいものの、やはりあの巨体で室内に存在することが、嫌われる最大の要因だろう
そいつが今、部屋の片隅にいる
どうする?殺虫剤を発射するか?
一応あるが後始末はどうすればいい?
トイレットペーパー越しでも触りたくないんだが
そもそもこいつに殺虫剤なんて効くのか?
掃除機で吸い込むか?
それなら大丈夫だが、まだたいして使ってもいない中の袋は捨てるようだぞ
もったいない
他に何か方法はないか?
しかし思いつくまで放置しておくのも落ち着かない
掃除機か
もったいないが掃除機しかないか
そこにいろよ、すぐに吸って、袋を閉めてやるからな
絶対に動き回ったり、飛んだり、隠れたりするなよ
ああ、自宅での予定が狂いそうだ
リラックスタイムに入ろうとしていたのに
12/7/2024, 10:35:20 AM