蓼 つづみ

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身構えさせる風が、
今年の冬には少ない。

冷えを誇張しない冷気に
動物は身を竦めずにいられるが、
かといって
温もりは約束されていない。

澄んだ空気は肺を濯ぎ、
それでも鋭さにはならず、
触れても骨までは冷え込まない。

記憶の底に残っていた
季節の手触り。

近年の過剰な冷えに
上書きされていただけの、
本来の冬の像だろうか。

緊張を強いられないまま、
世界と同じ温度で立てる。

題 冬晴れ

1/5/2026, 11:07:37 AM