hashiba

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日中降り続いた雨は、仕事を終えて帰る頃にはすっかり止んでいた。雲もあらかた捌けて風が冷たい。ここから夜はさらに冷えることだろう。今更になって顔を出し、そしてまた消えようとする太陽が少しだけ憎い。ため息をついたら不意に隣から「今日は鍋にしますか」と提案が。鍋。それなら寒い夜も悪くはない。スーパーに寄って、それからこの人と一緒の家に帰ろう。用済みの傘を二本提げ、暗くならないうちにと歩き始めた。


(題:沈む夕日)

4/8/2024, 2:58:01 AM