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スリル

「やっと着いたー!!はやく!!」
ここは日本で最恐と言われるほどの心霊スポットで、
俺たちはYouTuberとして活動しているが、どうにも
視聴者がのびず、ついにこの場所で撮ることを決めたんや。
一番乗り気な徠ははしゃいでいる。カメラマンの光太は
「怪我すんなよー!!」
……正直、俺は乗り気や無かった。俺は子供の頃から
幽霊が見える方で、ここに来る前から頭が痛くなったりしていた。
「昼に来た時よりも怖いんだねー!
ねぇ、琉玖と魅璃も!はやくきてよー!!」
「……なぁ、やっぱりやめん?俺、言ってなかったっけ?幽霊見えるって。ここ来る前から頭痛がひどくて、
視聴者のばすのもええけど、遊びで行っちゃ行けんとこよ、ここは。やから、俺は行かへん。お前らもやめとき?」
「……私も。怖いし、やめてもいいかな、?」
「えー、なによ!行くんじゃないの??
もう、勝手に帰ってよ!光太といくから!」
そういって、徠は光太と行ってしまった。
「…行っちゃったね、2人。」
「……あぁ、ほんまに、やめといた方がええと思うんやけどな、まぁあの2人やし戻ってくるやろ。……あと、ごめん。俺、やっぱ頭痛いし、帰るわ。ここおったら、俺気ぃ失ってまうかもしらん。魅璃も、帰らん?その辺歩いとれば、大きい道出るやろ。2人には気分悪いで帰ったって連絡しとくわ。」
「…うん、そうだね。私も気分悪いから、帰ろっか。」
俺らは、2人に連絡して、家に帰った。
風呂に入って寝ようとしてふと時計をみると、夜中の3時を回ろうとしていた。俺らがあそこに行ったのは12時前だ。あの場所は広かったけど、こんなに時間がかかるもんなんか?
『魅璃、起きとる?2人からなんか連絡来てへん?
さすがに、もう終わっとると思うんやけど、』
数分後、既読が付いた。
『うん、私もそう思う。何も連絡来てないの。
でも、もしかしたら電源とか切れちゃったのかもだし、
一応連絡してみるけど、私少し気分悪いからもう寝るね、
お休みなさい。琉玖も早く寝てね。何かあったら、また連絡して。』
『うん、おやすみ。俺も連絡してみるわ。
体ゆっくり休めてね。』
俺は、2人にもう帰ったか?終わったら連絡してくれ。と、連絡しようとした瞬間、光太から電話がきた
「光太?良かった、死んだかと思ってん笑
今どこ?ごめん、俺頭痛ひどくて帰ってもうたわ。」
「琉玖!助けてくれ、誰かが俺らのこと追いかけてくるんだよ、さっき、もう不気味だし撮り終えたからあそこは出て車で帰ろうとしたら車がなくて、大通り出てもこんな時間だしタクシー通ってなくて、あるいて俺の家行こうとしてんだけど、後ろから誰か来てるんだよ。」
「俺ら、車置いてったで?なんでや?取り敢えず、電話繋げとき。俺の家近かったら、来てもええで。」
その時、電話越しから叫び声が聞こえた。
「おい!返事しろよ!おい!」
二度と、2人の声を聞くことはなかった。
これが、俺の夏のスリルだ。

11/12/2023, 10:43:53 AM