たーくん。

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私と愛するダーリンしかいない、静かな山小屋。
「ダーリン!あなたを愛する私のハートを見て!」
私のハートを、ダーリンに見せつける。
ダーリンは少し困った表情をしながら、顔を背けた。
「分かったから心臓を取り出して見せないでくれ!」
「もうダーリンったら照れちゃって可愛いんだから♪」
私は胸から取り出したハートを押し込んで元に戻す。
「全く……俺も運がないよな。まさかゾンビ女に好かれるなんてさ」
ダーリンは座り込んで、私を見ながら言った。
「ダーリンから私にナンパしてきたんだよ?」
「まさかゾンビ女とは思わないだろ!まぁ、俺もちゃんと確認しなかったのが悪いけどさ。それに、こうして安全な場所に案内してくれたことには感謝している」
今、街ではゾンビで溢れかえっている。
化学製品を作っている工場から薬品が漏れ流れ、人と相性がよくなかったのか、肌が垂れてゾンビのような姿になってしまった。
私も、被害者の一人だ。
でも、今はダーリンと一緒だからゾンビになってよかったと少し思っている。
「はあ……これからどうなるだろう。俺達」
ダーリンは溜め息をつき、屋根を見上げながら言った。
「え?私と結婚するために海外へ逃げるんじゃないの?」
「ゾンビが飛行機に乗れるわけないだろ」
「そっか……残念」
「……まぁ、こうなったからには、お前と一緒にいるつもりだ。ゾンビが仲間だと色々と助かるからな」
「ダーリン……!私、すごく嬉しい!」
私はダーリンの胸元へ飛び込み、首に顔を擦り付ける。
「おい!バカ!お前擦り付ける……な……ヴァー」
私のゾンビ菌が移ったのか、ダーリンの肌が垂れ、ゾンビになってしまった。
「ダーリン!ごめんなさい!でも私……幸せ!」
ダーリンも私と同じゾンビになってくれて、すごく嬉しい。
「ヴァー」
ダーリンは首を横に振る。
きっと、ゾンビになったから不安になっているのだろう。
「大丈夫だよダーリン。私が傍にいるから」
「ヴァー」
不安がっているダーリンを優しく抱き締める。
ダーリンは照れているのか、私の頭を何度も叩いてきたけど痛みを感じない。
だって私……幸せだから!
「ヴァー……」
ダーリンも喜ぶかのように、屋根を見上げながら涙を流していた。

3/27/2026, 11:19:26 PM