灯火を囲んで、風に揺れる炎を眺める。チロチロと揺れる度に、暗い紅色の光と闇が打ち寄せあって、まるで別の場所のようだった。もはやこの一瞬に100年たとうとも、この風景は変わらぬだろう。チリ、とふと指が痛む。その時突然、昨夜の怪我を思い出し、利き手ごと炎に透かし見た。しかし、そこには、あったはずの傷が無い。それも、薬指
11/7/2025, 12:48:19 PM