ーいつからだろう。
空の光に当てられて、肌から玉のように汗がこぼれ落ちる。ドロケイ、アイツはいつも遅かった。俺から必死逃げようとして、結局フラフラフラして捕まる。
「お前体力ないなぁー」
「ははは、そうかも」
息を切らしながら、はにかむアイツ、
「そんなんじゃ、いつまで経っても俺に追いつけないな」
あの頃は、楽しかった。
一緒に研究者になるとか言って、大人ぶってわからない政治の話。図鑑の中の虫を見せて、こんな種だって語り合った。
高校三年、最後の春、今日は運命の日。
俺はダメだった。LINEがきた。心底恨めしくなった。当たり前だ。
アイツは進学校、俺は普通。
目標を決めて、反省して、サボらず努力して、毎日毎日繰り返す。至極当然のことだけど、すごく難しいこと。
わかってる。でも悔しかった。
月日が流れ、酒が飲めるようになった頃。
俺は夢を諦めた。
『距離』
※投稿予定のものが消えました。ついでにやる気も消えました。なので短いです。
皆さんはちゃんと保存しましょう。
12/1/2023, 1:01:36 PM