世界が美しいと思える日まで

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あの子は好き、だって私のこと気にかけて話しかけてくれたもの。
あの子は嫌い、私のこと揶揄ってきたりいじめるから
これは嫌い、美味しくないもの、葉っぱは人が手べるものじゃない。
これは好き、甘くてふわふわでとても美味しいから。
人は嫌い、自分勝手だもの。
私も嫌い、可愛くないもの頭だってよくないもの。
自然は好き、美しい世界を見せてくれるもの。
動物は好き、可愛くて従順だもの。

でも、人間は嫌い。
同じ動物だとしても、可愛くないもの、従順じゃないもの、動物を困らせるもの。
そしてふと思った。
人間って本当は要らないんじゃないかってね。
じゃあ、殺してもいいんじゃない?
だって必要ない生き物だもの。
でもそうよね、殺されただけじゃ嬉しくないよね。
そうだ!私が殺したら要らない可哀想な動物をめでてあげよう。そうしよう。そう思った。
きっと嬉しいわ。そう思っていた。みんなの事とちゃんと愛でて可愛がろう。私は意外と動かない人間わ好きなの。ふふふ。

そして三年で捕まって、ニュースにもなってみんなから『我が子を返せ!』とか『なんて酷いことを』とか聞こえたけど、私ちゃんと家族は全員殺してたよ?馬鹿じゃないの?いや、もしかしたら見逃していたのかも、じゃなきゃ捕まってないし、そう思った。
そして私は約293人殺して死刑囚となった。

「どう?私の話を聞いて、面白かった?それとも、恐ろしいと思った?」
「ふむ、とっても面白くて、そのまま物語として描きたいくらいです。」
「変な男ね。でも、あなたと同じようにこうやって罪人の話を聞く人がいるらしいわよ。」
「そうなんですね。おかしな人もいたものですね。」
「いや、ブーメランよそれ。でもねえ〜その女はね、あっちの人らしいわよ。」
「あっちの人....嗚呼鏡の向こう側ですか。」
「そうそう、あの人の作品も中々面白いそうよ。今度読んでみようと思うの、まあ死刑執行日は明日なんだけどね」
「死刑囚は良くしゃべりますね。」
「こんな面白そうな奴がいたらしゃべりたくなるでしょう?普通。あと、今日しか生きれないからじゃないかしら。まあいいわ。私のことちゃ〜んと世の中に伝えておいてね〜」
「まあいいです。さようなら。」

そうして僕は家に帰り物語を書く。
題名は『愛好家』

6/13/2024, 8:11:26 AM