Yugi

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その昔、宇宙遊泳する夢を見た。
宇宙服も必要なく、呼吸もできたことに対して、私は全く疑問を持たなかった。夢というものは実に都合が良く、自覚が難しい。

この宇宙では息ができるのだが、何故か太陽に顔を向けると息ができなくなる。
だから私は、太陽から完全に顔をそらしたままで無重力の中を漂っていた。
しかしやがて好奇心が頭をもたげ、遂に太陽を直視した。
目が潰れるということはなかったが、息ができない苦しみが私を襲う。
これで終わりなのか…。


布団の中で目を覚ますと、太陽があった場所にはまだオムツをしていた妹の尻があった。
寝相の悪い妹は、眠っている間に人の顔近くにまで移動していたらしい。

私はオムツに顔を突っ込んでいたようだ…。

7/10/2024, 11:48:06 AM