とある恋人たちの日常。

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 二人でテーブルに向かい合いながら、本日の夕食を口に運ぶ。
 今日の夕飯は彼女がハンバーグを作ってくれた。彼の好物で、不器用な彼女は練習して、これだけは上手に作れるようになっていた。
 
「今日のハンバーグも美味しくできました!」
「うん、美味しい!!」
 
 頬が蕩けそうな美味しさに、青年は満面の笑みでもくもくと口を動かした。恋人の手作りだ。美味しいに決まっている。
 
「そう言えば、来月にまとめて休みを取らない?」
「わ、いいですね! どこか行きましょうか!」
 
 即座に恋人が同意してくれた。
 
「海、行きたいね、海!!」
「いいですね、海!」
「じゃあ、海決定で!」
「やったぁ!! 新しい水着買わなきゃ!」
「新しい水着……?」
 
 楽しそうに言う恋人を見て、はたと気がついた。
 新しい水着……。
 
 その言葉に思考をめぐらせた。
 恋人は行動と外見的に幼さがあるのに、身体のラインは人より良い。有り体に言えば抜群のプロポーションを持っているのだ。
 最近は減っているけれど、彼女に対してセクハラをする顧客もいる。
 
「えっと……新しい水着?」
「はい!」
 
 嬉しそうに言う彼女だが、青年の背中には冷や汗が落ちる。容易に想像できるのだ。豊かな胸元に視線を集めるだろう姿が。
 
「えっと、上着……着てくれる?」
「え、やですよ。暑いじゃないですか」
 
 きょとんとした表情で、間髪入れずに返す恋人。
 
「じゃ、海やめよう」
「えー!? どうしてですか!?」
「上着着てくれないなら、海は嫌!」
「先に海って言ったのそっちなのにー!!?」
「もう少し、自分が人の目を惹くって分かってよー!!」
 
 青年の意見としては。
 
 彼女の新しい水着姿は見たい。
 でも他人に見せるのは嫌だ。
 心が狭いと言ってくれてもいい。
 それでも彼女のナイスバディを他人に見せるのは嫌なのだと。
 
 
 
おわり
 
 
 
お題:夏

6/28/2024, 12:16:05 PM