ふわり、カーテンが揺れる。柔らかな日差しが射し込む教室の窓際の席でひとり、ぼんやりと外を見ている人が居た。儚くて、消えてしまいそうで――思わず声を掛けようと小さく息を吸い込んだ瞬間、その人がゆっくりと振り向いて。「どうかした?」首を傾げながらの問い掛けに息を詰まらせた。君は笑っていたのだろうか、それとも――今の僕に、確かめる術はない。逆光
1/24/2023, 1:38:19 PM