『どうすればいいの?』
「どうしましょうかねぇ」
私はそう独りごちると、パラパラと手元のノートをめくる。
それは去年の日記で、様々な出来事を記録したものだ。そこには今私が悩んでいる、クリスマスプレゼントのことも書いてあった。
私の弟子の貴鬼。聖闘士候補生の弟子ではあるがまだ小さい子供なので、クリスマスには毎年プレゼントをあげている。今年はどうしようかと悩んでいるところだ。
定番は、私自身が作成したアクセサリーだ。その精巧な出来に貴鬼は目を輝かせて喜んでくれるが、去年もあげている。さすがにニ年連続だと感動も薄れてしまうだろう。
やはり子供らしく、玩具やゲーム機などだろうか。しかしそんなものを与えてしまっては聖闘士としての修行が疎かになるのは目に見えている。
かといって、聖衣修復士になるための参考になる書籍など与えて「これで修行に励みなさい」と言ったところで、「折角のクリスマスプレゼントがこれ?」と、感謝どころか失望されるのが関の山だ。向こう三年は根に持たれそうな気がする。
「意外と難しいものですね」
まぁ、クリスマスまではまだ一ヶ月ある。もうちょっと考えよう。何なら、アルデバランなどに聞いてみてもいいかもしれない。彼ならいいアドバイスをくれそうだ。
私は溜め息をつき、パタンと日記を閉じた。
11/21/2023, 11:57:28 PM