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『冬は一緒に』

「今月も忙しいんですか?」
月末に一緒に遊ぼうと誘うも、仕事が忙しいと断られてしまい、私は拗ねて頬を膨らませた。
私と彼女は数年前から付き合っていて、今年結婚した。
同時に彼女も医大生から医者になり、日々病院に出勤していくようになった。
早朝から夜中まで働き、帰ってこない日もあった。
そんな多忙な彼女と比べ、未だ学生の私は、毎日暇で暇で仕方がない。
自分の時間はあり余っているのに、彼女と過ごせる時間はほんの少ししかないことがもどかしかった。
もう子供じゃないから、一緒にいてと無理を言って困らせるようなことはしない。
でも、やっぱり寂しかった。
そして案の定、今回の誘いも断られてしまった。
彼女も仕事があるから仕方ないことは分かっているけれど、今度こそは一緒に過ごしたくて、少し拗ねたような態度を取る。
そんな私を見て、彼女は小さい子供をあやすように小さく笑って、「冬は休み取れるから、一緒に過ごそう」と言ってくれた。
私は久しぶりに彼女と居られるのが嬉しくて、横に座る彼女に抱きついた。

12/19/2024, 7:41:22 AM