星が溢れる。君の瞳から。
「なんかねえ、昨日から止まらないのよ」
「はあ」
スパンコールみたいなキラキラが、左目から右目から、ぽろぽろ、ぽろぽろ落ちてくる。
「なんでだろうね」
「やめなよ、目に傷がつくよ」
「だって」
目をこすると、星はパチパチと火花のように弾けて消えていく。
昨日夜通し泣いてたんでしょ。
憧れの人と同じ志望校に行けないって。
涙が枯れてしまったから、星がこぼれ落ちているのかもしれない。
「今日さ、パフェ食べに行く?」
「いらない」
「食べたいっていってたじゃん」
「食欲ない」
「行こうよお」
「えー」
君の取り繕う笑顔はぎこちない。
「なんか私、今日パフェ食べないと死にそうかも」
「死なないでしょ」
「いや、まじで。だからお願い」
それで君の悲しみが癒えるわけでもないと、分かっているけれど。
「食べに行こうよ、パフェ」
なんとかして溢れ落ちる星を止めてあげたかった。
【お題:星が溢れる】
3/15/2024, 12:54:53 PM