あなたと私では生きる時間の流れが違う。あなたがひとつ年を取る度に、私は4倍以上の年月を経る。
あなたの時間はゆっくりなのに、私の時間は光の早さで過ぎていく。
幼い私を抱いていたあなたは、その温かな手のぬくもりのままで、老いた私をその腕に包み込む。
けれどね…捨てられた子猫だった私を、あなたが拾って救ってくれたあの瞬間を、私は一度も忘れたことはない。あなたの腕の中で潰えるこの時でさえ私はまだあの時の子猫のようにあなたの指をぺろりと舐めた。
あなたは私の頭を撫で、頬をさすり、喉をくすぐる。
ああ、あなたに出会えたことが、私の生まれた意味なのかもしれない…。
あなたにとってはほんの数年でも、私にとってはすべての生を捧げた…あなたを愛した生涯でした。
【子猫】
11/16/2023, 2:27:41 AM