露酒

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眠りにつく前に

ロウソクを灯し、地下へと降りていく
涼しくて、ゾッとする空気が私の肌を撫でた
地下には無数の牢屋があって、その中で誰かがしくしくと泣いている
私はこの人のことを知らないけれども、知っているんだ
そっとロウソクをその「誰か」に近づける
するとその人はあっという間にロウソクに吸い込まれて、ロウソクの中で踊り始めた


火となって



私は寝室に戻り、タンスの上にロウソクを置いた
相変わらず楽しそうに火は踊っている
それを見つめて、私は眠りについた
その理由を心に秘めながら
















幽霊のロウソクが、私の心の病を治すすべなのだ

11/2/2024, 10:53:13 PM