私は、善悪が分かりません。
何がよくて、何が悪いのか。
「ラトくん。ダメだよ。」
ミヤジ先生が言うから従います。
まぁ、なんでダメなのかよく分かりませんが。
ですが、変な人が来ました。主様です。
「ラトは善悪が分からなくてもいいよ。
私が教えてあげる。」
そうやって笑う主様は綺麗でした。
「ふむ、お願いしますね。」
その後、主様は色々なことを教えてくれた。
「これはもちろんダメ。あ、でもこれはいい。」
いいのとダメなのを教えてくれたけど、それがなぜいいのか、ダメなのかそれは分からなかった。
「あ、でね。ラト。」
その言葉を聞いた瞬間、目の前が暗くなった。
「私以外好きになっちゃダメ。
私はラトしか好きにならないから。」
そう甘い声で囁かれた。
甘い声を聞いていると、頭がふわふわしてきた。
「ね、ラト。」
「はい。主様。」
これは、私と主様の少しおかしな関係です。
この甘い声で私のことを褒めてくれる主様。
どうか、ずっと私のそばにいてくださいね。
「いいこだね。らと。」
主様はそう言って撫でてくれた。
私の心はとても満たされた。
「もっと、わたしのことすきになって。」
その甘い蜜のような声と塞がれた目のせいで私は眠ってしまった。
「あ、寝ちゃった。」
ふふっ。と、笑ってラトを私の部屋に運ぶ。
「これからはずっと私がいるからね。」
そう言って私の部屋にラトを閉じ込めた。
4/26/2024, 10:52:43 AM