私の幼馴染であった、隣の家のゆうちゃんは高校生になってから、随分と変わった。
中学生の頃では、関わらなかった不良の集まりとよくいるの高校生に成ってからはよく見た。
入学して、クラスが別れ約半年。部活に勉強とお互い忙しく、話すこともできないような生活をしていて気がついたら、あの子とは関係が切れていた。
それからは何となく気まずくなって距離を置いて過ごし卒業してしまった。あの子の進路など、私は知る由もなく連絡もできずに大人になっていた。
幼馴染という関係は、強い絆で結ばれていて大人になってもあり続けるものだと思っていたが、実際のところ薄く脆く切れやすかったのだ。
ある日のことだ。
働き始めてからやっと安定した生活をおくれる様になった。多忙な毎日を過ごし、あの子のことをすっかり忘れていた。
きっと、あの事が無ければこんなにも私の記憶にあの子は残ってはいなかっただろう。
適当に流していたニュース番組には、あの子がいたのだ。
ゲストとして参加していたあの子は姿は変わっておらず、あの高校生の時のままであった。
大人になったあの子は、やっぱり中学生の時と随分と変わってしまった。ピアスは痛いからしないと言っていたくせに赤い派手なピアスをつけている。
何故か少し悲しくなってしまった。
結局、何の関係にも成れなかった私がこう思うのは可笑しいかもしれないが、思わずにはいられなかった。
思い出の中の貴方だけはあの頃と変わらない子供のままでいて、と。
5/12/2024, 1:05:23 PM