《愛する、それ故に》
さようなら、愛しい人
「金があったから一緒に居てやったのに!!」
お前のその性格が好ましかったから一緒にいた
「はっ、何があってもお前の味方?そんなわけないだろ」
たとえ世界を敵に回そうとも、俺だけはお前の味方だ。
「お前に価値なんてない」
少なくとも俺のなかでお前より価値あるものは存在しない
「大っ嫌いだ」
あいしてる
イイコだから、お願いだから
もうここに来ないでくれ
もう二度と俺の代わりに死ぬな
あれだけ罵倒すれば、お前は嫌ってくれるだろ?
「なん、で、」
なんでまたお前が俺の代わりに死んでいる?
あれだけ罵倒したのに
普通なら嫌いになるはずだろ?
なんでなんでなんでなんでなんで
分かってたよ。
アレが本意じゃないってこと。
どれだけ一緒にいたと思ってるの?
それに、君は演技が下手だ。
心からせいせいしたように声は繕ってたけど、
顔の歪みは隠しきれなかったよ。
僕のショックを受けた表情の方が余程よかったんじゃない?
僕は君のいない世界を生きるのが嫌だっていう身勝手な理由で死んでいくんだよ
君はただの僕の被害者
だからそんなに泣かないでほしいかなぁ
『「もう来るな」とは言えなかった』
10/9/2025, 4:08:34 AM