ゆう

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渋谷は苦手だ。

僕は人ごみが苦手で、
人が多い所にいるだけでエネルギーを奪われてしまうタイプだ。

だから、スクランブル交差点をうつむきがちに歩いていた。

交差点の途中、向こうから歩いてくる人ごみの中に、
じっとこちらを見つめてくる女の子がいた。

僕は人から見られるのも苦手で、僕を見て笑ってるんじゃないか?
という被害妄想をしてしまうのだ。

僕は視線を感じながらも目を合わせず、
その少女とすれ違い交差点を渡り切ろうとした。その時、

「私のこと、見えるの?」

という声が聞こえた。

思わず声のした方を振り向いたら、そこにはさっきの少女が立っていた。

「ねえ、私が見えるんでしょ?」

そう問いかけると少女は、

「ここは…霊界交差点よ。」
と、言った。

どうやらここは、渋谷ではないらしかった。




 交
未知の
 差
 点

 続
 く

10/11/2025, 2:31:55 PM