蓼 つづみ

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闇の中でこそ、
世界は一枚の黒へと溶け合い、
虚飾は役目を失う。
記憶だけが、灯りのように
本当に残すべきものの形を示す。

わずかな光は、
忘れずにいたい部分だけを拾い上げる。

声の温度。
指先の震え。
微笑の角度。
胸の奥で静かに燃え続ける小さな強さ。

それらが光に触れたとき、
“真実の輪郭”として姿を戻す。

ランタンの光は誠実だ。
余計なものをすべて抱き込み、
最後に“記憶の底に残った美しさ”だけを
そっと照らし返す。

外の強い光に慣れようとしなくてもいい。
歩かなくてもいい。
思い出を手に取れる瞬間が来たら、
そのときゆっくり
ランタンの灯を掲げればいい。

記憶のランタン

11/18/2025, 12:14:07 PM