君と見上げる月
拝啓
雷雨が立ち去り、静かな香りに包まれた秋がやってまいりました。
ふと見上げた月は貴方のように凛と光り輝き、美しいものでした。
貴方はいつもわがままばかり言い、拗ねてる日が多かったですね。
ですが、何か嬉しいことがあるところころと顔色を変え、そんな貴方の笑顔はまるで太陽のように私の心を温かく包み込んでくれました。
貴方が寂しいと言った日はそっと私の傍により、可愛らしい寝息をたてていましたね。
私が風邪をひいた時はなれない料理をし、火傷を負ってしまいましたね。あの時のお粥は、本当に美味しかったです。
貴方の柔らかな髪、貴方の声、一つ一つの仕草が愛おしくて、貴方は、まさしく私の太陽でした。
貴方が亡くなり、49日が経ちました。
今夜は十五夜です。
今年も、貴方と月を見たかったです。
本当に、大好きです。
もし叶うならば、もう一度貴方を抱きしめたい。
今夜の月が、貴方に届いていますように。
敬具
9/14/2025, 4:14:03 PM