月見茶

Open App

【幽霊依存の恋暴走】

 昔から、他人には見えない友が居る。
 年少に、友が幽霊と呼ばれる事を知った。
 年中に、私にしか見えていない事を知った。
 年長に、死ぬと友と同じ存在になると知った。

 小学生になる頃には、友の存在を隠すようになった。
 私だけが知る、私の一番の理解者。
 そんな友を、手放したく無いと幼心なりに出した欲望だった。
 大人になっても、友が見えなくなることは無かった。
 私が辛い時、哀しい時、苦しい時。そのどれにも寄り添い私を励ましてくれた。

 そんな存在を■したいと思う様になったのは、魔法使いになってしまった焦りからだろうか?
 しかし、そう思った理由はどうでもいいのだ。問題は手段なのだから。
 厚い薄い本の世界では無いのだから、手の出しようが無い。そう考えていたが、この問題の解決方法を、何も知らぬ友が教えてくれた。
 
 つまり、入れ物があればいいのだ。
 その程度は容易い。ネットで原寸大で駆動、表情変化可能のそれ用の人形を購入し、差し出した。
 友は女性の人形であることに文句を言っていたが、数十年ぶりの実体に喜びの笑みを人形の顔に浮かべている。
 その表情を見て私は、友を押し倒した。

 *

 朝。人形の中に友は居らず、周りにも居なかった。
 ずっと隣にいると、思っていたのに。
 その日以降、友を見ることが無かった私は、友を追って同じ死を迎えた。

4/8/2026, 12:32:23 PM