作:ロキ

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『世界に一つだけ』……ワタシが、この世で
今、一番に伝えたい言葉がある。

ワタシは、この日のために。
化粧も美容室にもエステにも行ったし、してきた。
誕生日プレゼントに貰った、ピアスもして
服も、男女とわず誰もが「あの人の服、素敵!」
と、言われるように綺麗で格好良い物を…
ヒールも、少しだけ奮発して良いものを買った。

あとは…『花屋きらめき』で、予約して作ってもらった
真赤なバラの花束を持って…

『うん……完璧…』
ワタシは、自宅の玄関前の姿見で身だしなみの
最終チェックを済まし。
玄関の扉を開ける前に、深呼吸を数回…

『よしっ……いってきます。』
と、1人つぶやき
玄関の扉を開き、外へと向かった。


向かう先は、あの人の処へ…



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「世界に一つだけ…」私には、あの子に
伝えたい言葉がある。

私は、今日のために。
髪も可愛く見せたくて、ヘアアレンジをいっぱい
練習して。
爪も、あの子がこの色が好きだって知っていたから
お店の中で、一番綺麗な色のを買って
服も、いつもより可愛くて綺麗なワンピースを買って
あと…お誕生日プレゼントに貰った。
腕時計を身に着けて
化粧も、派手なのが苦手なあの子の為に
派手にならないように、自然な感じにしてみて……

洗面所の鏡の前で最終チェック。
「うん……大丈夫。」
クルリと、鏡前で一回りし

あとは…『花屋きらめき』で、予約した
あの子が好きな黄色のガーベラが入った花束を持って
玄関で、ヒールを履いていた。
玄関の扉を開ける前に、私は
「…大丈夫。大丈夫よ。」
と、自分に言い聞かせ。

ガチャリ…と、玄関の扉を開け外へと向かった。



行き先は、あの子の元へ…





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待ち合わせの場所は、
2つ先の駅近くの公園の中のさらに奥の場所
そこは、ベンチしかない静かな場所だった。
遊具も1つも無い場所だが、かえって人目を気にしないで内緒話や愚痴をこぼせる。良い場所でもあった。
今日も、この場所はシン…と静かであった。

私達は、いつもこの場所でお喋りをしていた。
手も繋いでお散歩もしていたし……キスした。
一緒に写真も動画もたくさん撮った。
ピクニックもしていた。
喧嘩も、ここでしていた。
泣いた時も、笑った時も。
ここには、思い出がたくさんある。
だから、この場所を選んだ。

そして、何方からと言うのも無く

『「(ワタシ、私)と、結婚してください!」』

あまりにも、息ぴったりで2人とも
驚いた顔をお互いしていて、それが可笑しくて
その日は、ずっと夜遅くまで2人で笑って泣いていた。


* 赤い薔薇…愛情、情熱、愛 * 
* 黄色いガーベラ…究極の愛 *



世界に一つだけ……もし、叶うのならば
貴方なら何を願いますか??

9/9/2024, 1:48:33 PM