声を犠牲にしてまで
足を手に入れて
王子様に会いに来たのに
激しい勘違いで他の人と結婚する
私の王子様。
王子様と結ばれなかったので
私は海の泡になって消えてしまう。
って状況整理してみたものの
正直、
人間が嵐の海から
人間を助けるなんて
無理な話なのに
それを信じて結婚までいった
あの馬鹿王子は
死ぬほど殺したい。
こっちの声が出ないことをいい事に
勝手に解釈して、
一瞬でも好きになって
ここまで会いに来た私も
馬鹿みたいじゃない。
まあ、ここで我慢できなかったら
話が変わっちゃうから
何が何でも堪えなきゃなんだよね。
けど、
そんな私の努力とは裏腹に
お姉様たちは髪の毛を犠牲に
ナイフを持って
私を助けにきた。
これを王子様に刺して殺せば
あなたは泡になって消えずに済む、と。
お姉様たちにはいつも助けられたなぁ。
末の娘だからって
不自由にならないように
たくさん良くしてもらった。
でもその優しさ、今は要らない。
私超ムカついてる。
もちろんあの馬鹿王子にね!!
ナイフなんて貰ったら
今すぐにでも殺してしまうわ。
結婚相手共々
お亡くなりになって欲しい所だけど
この怒りが消えるのは
私の不幸が報われるのは
泡になって消えることだけみたい。
ナイフも身も海に投げ出して
心の中で強く思った。
早く泡になりたい。
"Good Midnight!"
気づいたらずーっと
海の中にいたような
海と空を見ていたように思った。
あぁ、今日は月が綺麗だなぁ。
8/5/2025, 7:23:14 PM