語り部シルヴァ

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『手紙を開くと』

「手紙...?」
仕事帰りにポストを開けると見知らぬ封筒が入っていた。
封筒...の割には厚みがある。
ストーカーからの手紙の線はない...
人気者になれるほど自分はモテない。

「...?」
宛名は...無い。
なのに僕の住所を知っているのなら家族ぐらいだろう。
だが家族なら実家の住所を書くはず...
部屋に戻って封筒を適当なところに置いてことを済ませる。
ご飯や家事...お風呂を終わらせたあと、
本でも読もうかと手を伸ばす。

視界の先にさっきの封筒が入る。
...することも無いから開けてみる。

押し込められていたかのように中身から手紙が溢れてくる。
溢れ出した中からやっと一枚目を見つけた。

「差出人は...俺?」
"拝啓 数年前の俺へ"から綴られた文章が
そこから始まっていた。
始まりの挨拶に自分しか知らないことばかり
書かれていたから詐欺の類でも無さそうだった。

ちゃんとした自分からだと信じて
手紙を読み始めた。

語り部シルヴァ

5/5/2025, 10:31:24 AM