ふうり(小説家希望の13歳)

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私のクラスには、すこし変わった男子がいた。
名前は、たしか杉田(スギタ)くん。
誰とも関係を持たずに、ずっとひとりでいる。
まるで、一匹狼のようだ。

そして、最近彼からの視線をやけに感じる。
わ、私の顔に何か着いているのかな…?
はぁ、それより、今日はやけに頭が痛い…
「莉央(リオ)ー!体育一緒に行こー!」
仲の良い友達から誘いを受け、「うん」と言って席を立った。
あー、今日ちょっと体調が優れないかも…
寝不足かな…
まぁ、成績を上げるためなら、少々無理をして体育出るか…

「じゃあ、グラウンド5周自分のペースで走れー」
あぁ、もう最悪だ。
こういう時に限って、こう言う辛い内容だ…
「莉央ー!一緒に走ろー?」
「あー、ごめん、私足怪我してて、先行ってて!ゆっくり行くから!」
そう断って、ゆっくり走る。
あー、本当に痛い…
休むべきか…?
どっちにするか迷っている時、後ろから声をかけられた。
「おい、ちょっと。」
私を呼んだのは杉田くんで、グイッと腕を引っ張られた。
「えっ!」
連れてこられたのは、校舎の日陰になる場所。
「ほら。これ。羽織っとけ。」
杉田くんは着ていたジャージを脱ぎ、私に渡してくれた。
「えっ、でも…」
「お前、体調悪いんだろ。安静にしとけよ。」
ひょいっと背中を向けてしまった杉田くん。
ドキッ
「えっと、ありがとう…」
杉田くんって、少し、不器用なのかもしれないな
私は、彼の事をもっと知りたいと思った。

《優しさ》

1/27/2023, 12:03:10 PM