夕焼けに一筋のひこうき雲。やがて雨を連れてくるそれは綺麗さと残酷さを足して2で割ったみたいだ、といつかの君が言った。今、この長雨の中ふいに思い出す。君はもう居ないのだと気づいたのはもう一本余計に持ってきた傘を使う人は僕の隣には居ないと分かったから。落胆する僕を植え込みのあじさいが笑ったような気がした。
6/1/2022, 1:20:35 PM