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「I love...」

 「What do you like ?」
 流暢な英語で、君が問う。放課後の教室には、君と僕しかいない。
 「アイ ラブ...」
 明らかになれていない発音で僕は言葉を紡いだ。
 「違うよ!likeで聞いたんだからlikeで返さなきゃ!」
 仕方がないな、と言わんばかりの表情を浮かべながら、細かく君は指摘する。それでも僕はその指摘を無視した。
 「I love ...」
 「だから……」
 「you」
 さっきよりも綺麗な発音で言えたと思う。君は困惑した顔をして、僕の言った意味を理解したのか段々と顔が赤くなっていった。きっと僕の顔も君と同じくらい赤いのだろう。
 異国の言葉に想いをのせると少しだけ伝える勇気が出た。
 夕日に照らされる教室に、君の「ミートゥー」というか細く震えた声が響いていた。

1/29/2026, 2:05:56 PM