幼い頃、テレビに映る主人公みたいに、空を飛べたらな、なんて思ったことがある。天使が持つ真っ白なつばさでも、ヒーローが纏う大きなマントでも、魔法使いが乗るほうきでもなんでもいい。あの大きな空の中で飛べたら、どれだけ気持ちいいのだろうって。
歳を重ねた今、仮に雨雲や積乱雲の中に突っ込んでしまったら無事では済まないよな、と夢見る子どもとは真反対な、現実を直視する大人への仲間入りをしてしまった。かと言って、小さな自分がかつて、遠くの空へ向かうことを夢想したように、これからも広がる可能性を手繰っていくつもりだ。今はまだ明確に目指すこと、ものを決めているわけではないけれど、果てのない中、歩んでいくのはみんな同じだと思うから。
8/17/2025, 6:01:24 AM