もっと高くと望んでいた場所へ来た
全く違う景色なのだろうとは思っていた
確かにこれは見上げるだけでは見られない景色だ
けれど今にも崩れそうな足場
雨風、雷に煽られる恐怖
見渡す限り誰もいない孤独
急に足が震え出した
自分が望んだ景色はもっと人で溢れていたはず
なぜ自分は今ここにいる?
足元を見てくらりと眩暈がした
重心がずれて体が傾く
自分は空へ投げ出された
ようやくこの恐怖から逃れられる
そう思うと自然と口角が上がった
地上へ着くにはまだ遠い
『高く高く』
10/15/2024, 5:41:52 AM