ささやかな約束
お昼寝していると、子供たちの部屋から声が聞こえてきた。
寝ぼけた頭のまま、なんとはなしに彼らの会話に聞き耳を立てていた。
「…もう準備できた?」
「うん。」
「お前はお小遣い俺より少ないから300円でいいよ!兄ちゃんが残りの700円出すからな!」
「わかった。」
小声でコソコソお互いの貯金箱から小銭を取りだしてやり取りしている。
「明日、一緒に学校の帰りにお花屋さん寄ってコレで母ちゃんにプレゼント買って来ような?」
「うん!母ちゃんにプレゼント!!」
「しーっ!声でかい!バレたらダメなんだからな!」
そういえば、明日は私の誕生日だった。
可愛くてささやかな2人の約束。
一部始終聞こえてしまったが、なんにも聞かなかったことにしよう。
と思ったけれど、私の口角は上がりっぱなしで明日が待ち遠しくてたまらない。
11/14/2025, 10:42:06 AM