川原

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「どんなに離れていても」

しばらく河原の石だった
上流から ごろんごろん
他の石とぶつかり合ったり 離れたり
転がり落ちる間に 割れて剥がれて
剥き出しの尖った表面が
川底に刺さりながら また落ちていく

気がつくと河原だった
星が出ていた 
あの時剥がれた からだの一部が
遠い空から見下ろしていた

ここから海へと運ばれるのか
光に問うても答えは出ない
河原の自分にも飽きたら
今度は自分から転がるのもありかもしれない
それも良いねと
遠くで欠片のあなたは笑うだろう

4/26/2025, 10:06:39 PM