あんなにたくさんいた仲間達は、みんな居なくなってしまった。夢だったような、長かったような旅だった。不思議。3年半か4年…。
旅の終わりに2人残されるはめになるなんて思わなかったけど…。
ベッドがぎしっと鳴いて、大きな影が私を包んだ。
「つらくない?」
幼馴染の彼がそっと頭を撫でてくれる。
「平気」
苦しそうな顔をしているのはあなたなのに。
太くなった腕が身体を巻き寄せてくれる。だから私も彼の身体に腕を回す。温かくて滑らかでとても気持ちがいい優しい温度だ。
「ありがと」
「なにが」
「えっと…」
いつももじもじしている彼がさらに口ごもっている。照れてるのか。何か素敵なこと言ってくれないかな。という思いとは裏腹に、出てきた言葉はぎこちない。
「ぼく初めてで…その」
「私だって初めてですけども」
「う、ん。その」
毎日の肉体労働でたくましくなった身体がぎゅうぎゅう抱きしめてくる。なんでだいじな言葉はなかなか言ってくれないんだろ。苦しいぞ。
「すごく、嬉しかった。途中無理させちゃったごめん」
「いいよ…」
大きな獣みたいな彼の頭まで手を伸ばして撫でる。確かに下腹部はヒリヒリ痛くて腰がズレたみたいにぎこちない気がする。
薄い衣服のままの私たち。彼の目が胸元に集まっていた。
ふわっと大きな手で寄せられて、こっちも昨晩を思い出して声が出てしまう。
「あ…」
あ、ご、ごめん!と、はっとなって離すけど、多分無意識なんだろうな…男って理性が一瞬消えるんだ…。
「嬉しくて。受け入れてくれて、嬉しかった。すごく幸せだった」
「うん。私も」
頬が触れ合う。部屋はまだ温かい。
落ちた暖炉の火がまだのこっている。外は雪。
ここまで来るのに本当に長かった。
温かい肌にまたぎゅぅと抱きしめられると心が落ち着いて、足りない部分をすべて埋めてもらえるような居心地の良さだった。
おしりの辺りでなにかがもぞと動いて驚いていると、彼のものだった。
「またしよ」
「はい…」
照れてる。なんで敬語なのよ、私まで照れちゃうじゃない。
私の肩に唇が触れた。欲しかった言葉だった。
「大好き」
「うん。私も…」
そして背を支えられキスをする。
まるで世界に二人きりのような静寂だった。
ふたりぼっち
3/21/2026, 10:54:56 PM