とある雨の日、僕はゴミ捨て場にいたロボットを拾った。
名前も知識もない、空っぽなロボット。
それを、いつしか自分と重ねてしまっていたのかもしれない。
だから、僕は自分に問いかけるようにして言った。
『知っているかい?
人は生きているだけで、心躍るものなんだよ。』
「ココロオドル…?」
『そう。だから僕たちは共に生き続けよう。
心躍る日を求めて。』
「…ソウシタラ、アナタハ…ワラッテクレマスカ?」
『………』
僕は何も言わずに、動かなくなった彼を抱きしめた。
10/9/2022, 10:47:41 AM